アルミ接合

溶接方法を選ばないと、キレイにならない

アルミの溶接は、ステンレスなどと比べるとよくわかりますが、溶接ビード(盛り上がって膨らむ部分)が目立ちます。大きく盛り上がってしまうということです。
だったら、溶接ビードを切削してしまえば良いのではないかということになりそうですが、そうすると、溶接した溶接ビード部分の強度が弱まり、割れてしまう可能性があるのです。

では、溶接割れを防ぐにはどうすれば良いかというと、目立たないように反対側を溶接することをするか、溶接ビードを残しながらもう少しキレイに仕上げることしかないでしょう。

元々、ステンレスなどと比べて、歪が大きくなるということがありますから、あまり溶接箇所を増やすことは止めたほうが良いかもしれません。
リベットやナットサートを使用したボルト接合という方法もありますが、穴や出っ張りなどでキレイではありませんので、許容範囲にもよりますが、あまりおすすめはできないということになるでしょう。

接合方法としては、主に次のような方法があります。
電気でアルゴンなどの不活性ガスを吹き付けて行う「TIG(Tungsten Inert Gas)溶接」、シールドガスに炭酸ガスを使うアーク溶接「CO2溶接」、レーザー光で行う「YAGレーザー溶接」、電気抵抗を利用して行う「スポット溶接」、穴あき部材をかしめて行う「リベット接合」、ボルトとナットで行う「ボルト接合」などです。

比較的新しい、摩擦攪拌接合(FSW)という技術

比較的新しい技術として、アルミ合金の直線接合や点接合などで実用化されている、摩擦攪拌接合(FSW)という技術があります。

1991年にTWI(英国接合溶接研究所)が発明した技術で、国際特許を取得した技術です。
簡単に説明すると、まず、先端に突起物のついたツールを回転させながら接合部分に押し込んでいきます。

次に、摩擦熱で軟化した材料を攪拌(塑性流動化)して接合するというものです。これまでの溶融溶接とは違い、応用が期待される接合技術となっています。