アルミの化学的性質

金属の中でも特殊な、アルミの化学的性質

物質には2種類の性質があり、「化学的性質」と「物理的性質」になります。
他の物質に反応して、違う性質の新しい物質に変化しようとする性質が「化学的性質」で、物質そのものの状態、色、臭い、味、硬さ、沸点、融点など、変化できない性質を「物理的性質」と呼んでいます。

物質の中でも金属は、丈夫さの点から産業製品全般材料としての使用の割合が多いのですが、反面、金属には錆びやすい面があります。
それでいうと、アルミは金属の中でも耐食性がとても優れていて、非常に錆びにくいという性質があるのです。それがアルミの化学的性質でもありますが、金属なのに錆びにくいという、新しい変化がなぜあるのかを説明していきます。

まず、金属が錆びるということですが、金属に空気中の酸素が結びついて起こる現象になり、アルミにはその現象が起きないということです。
アルミそのものに酸素と結合しにくい性質が元からあるのではなく、表面に酸化皮膜を張る性質があるために、酸素が結びつきにくくなるという現象になるからで、アルミのバリアができるわけです。

その逆に、このバリアが再生できないほどの状態でなくなってしまった時は、錆びていく現象がどんどん進行してしまうということになります。

アルミの腐食現象は一つの要因だけでなく、いろいろな要因が組み合わさって影響することになりますから、ここでアルミの表面処理ということが大事になってくるわけです。

 

一長一短がある、アルミの化学的性質

アルミの化学的性質である腐食。
アルミそのものが腐食しにくい性質ではありますが、絶対ということはありませんから、それを防ぐ方法として施される表面処理方法と、アルミ本体の表面にクラッド材(2種類以上の異なる金属を貼り合わせた材料)でクラッド層を設けて、腐食を防ぐ方法があります。

こうすれば、アルミの耐食性が格段に良くなるのです。
ただ、酸化皮膜を張る性質や後付けの処理は、溶接時に問題となってしまう可能性も含んでいます。