アルミの原料
私たちにとって、ごく身近な金属である「アルミ」。
アルミは、1円玉や缶ジュースなど、毎日のように目にしたり手にすることがある金属といえます。
しかし、アルミの原料について聞かれると、一瞬戸惑ってしまうという人も多いのでは?鉄は鉄鉱石から…というのはなんとなくイメージできても、「アルミ石」なんて聞いたことありませんよね。
そう、アルミの原料は、ボーキサイト。オーストラリアやベネズエラなどが原産の鉱石です。
アルミは、このボーキサイトを電気分解して取り出される「アルミナ」という物質を原料として作られます。
ボーキサイトからアルミナを取り出し、アルミの塊(インゴット)などの形に整えられ、さらにそれがアルミ板やアルミ棒などの素材へと加工されていくのです。
アルミの強度
アルミの塊は、不純物がほぼ排除された(それでも100パーセントアルミのみというわけにはいかないようです)状態の「純アルミ」です。
純アルミは加工しやすく、熱や電気の伝導性に優れるという特徴がありますが、強度が低いという問題点もあります。
純アルミの弱さをカバーし、アルミの強度を上げるために作られるのが、アルミにさまざまな成分を添加したアルミニウム合金です。
アルミニウム合金は、さまざまな種類のものがありますが、アルミに銅を混ぜて作られた材質は、鋼にも匹敵する強さを持つといわれ、乗り物や建材などに使われることもあります。
よく刑事ドラマなどでジュラルミン製のケースが登場したりしますが、スーツケースなどにも多く使われている「ジュラルミン」とは、A2017と呼ばれる規格のアルミ素材になります。
ちなみに、ジュラルミンのさらに上をいく強度を誇るのがA2024の超ジュラルミンと呼ばれるものです。
また、アルミに銅だけではなく、亜鉛とマグネシウムを混ぜると、Al-Zn-Mg-Cu系合金というアルミ合金の中では最強の合金を作ることができます。
別名超々ジュラルミンとも呼ばれるこの素材は航空機や車両などにも使われることがあるそうです。