材料の性質を見分けて、汎用性拡大
材料においてよく出てくるのが「機械的性質」という言葉です。
辞書を引いたりすると、材料における性質で、引っ張り・剪断(せんだん)・衝撃・疲労などに対する強さや、材の硬さなどを指すとあり、それらの項目を試験機によって測定して出た数値を一覧表にすると、いろいろな材料と比較することができます。何か製品を作る上で、最も重要な要素であるといえるでしょう。
アルミの機械的性質の代表値というものを挙げると、質別、引っ張り強さ(N/mm2)、耐力(N/mm2)、伸び(%)になります。
これらが、純アルミをはじめ、合金系統の中の数字によっても個々に違いが出ますから、用途によって使い分ける時に必要となるわけです。
例えば、純アルミニウムの引っ張り強さはあまり大きくないために、そのままの材質では使えないとなった時に、マグネシウム、マンガン、銅、ケイ素、亜鉛などを加えて合金にしたり、圧延などの加工や熱処理を施したりすると、強度の数値を高くすることが可能になります。そこで用途が一気に広がり、新しい分野への汎用も考えられることになっていくのでしょう。
機械的性質は、製品化をする上で大変重要
機械的性質というと、材料の強度は欠かせないでしょう。
ただ、よくいう「強い」「弱い」は、何を指標にしているのでしょうか。
それは、弾性的強度、降伏強度、破壊・破断への強度、最大強度、クリープ変形への強度、疲労への強度、摩擦・摩耗への耐性などになります。
これらを基にすると、アルミ自体の強度は低いですが、アルミ合金として製品になった場合、元々の特性である軽さや加工性の良さを保ったままで強度を補強できますから、機械的性質でいう強度は優れたものとなり、運輸関係や建築関係に応用されるようになるということです。
物作りにおいて、機械的性質の評価は切っても切れないものであり、製造段階のどの時点でどのように変化していくのかの把握につながり、製品化をする上で大変重要な意味を持っています。